カトリック教会では洗礼を受ける時、保護の聖人の名前を洗礼名としていただきます。ある程度大きくなれば自分で選べますが、幼児洗礼であれば、親や代父代母となった方が決めます。親や代父代母の洗礼名をいただくという習慣もあるようで…
兄弟アリが私たちを躍らせた
私はその日の午後、仕事が終わった後で、おやつをしようと思って一人で食堂にいました。すると、一人の高齢の姉妹が窓の外に見えました。彼女は、庭の木の下で、古いほうきを手に嬉しそうに立っていました。私に気づくと、〝おいで、…
ある日の出会い
さわやかな朝、島から東京へ出掛けるために修道院からバス停まで歩きながら、今日は気持ちのいい日だ、と思いながら短いロザリオを唱えていました。 街の小さな店の前を通り過ぎようとした時、店から出てきた50代の男性に出会いました…
第4回「祈りの道」-わたしの歴史を祈る
先日、若い女性たちを対象にした第4回「祈りの道」がFMM瀬田修道院にて開催されました。参加者は、リピーターの方を含めて6名でした。テーマは「自分の歴史を祈る」。 誕生前から現在に至るまで、心に残っている出来事を七つ書き出…
ことば
アフリカのフランス語圏へ派遣される前、1年半パリでフランス語を学びました。1年たっても私は自由に話せず、スペイン、ポルトガル、イタリアの人たちをうらやましく思いました。イギリス、アメリカ、中国人たちの発音は、それぞれに自…
初夏
色とりどりの花が咲き乱れる春が過ぎ、緑が深まる初夏の北海道に行った時のこと。 山沿いにあるその家の畑には、今年も所狭しと、いろいろな野菜が育っていた。 来るもの、生えるもの拒まず、それぞれが自由自裁に生きているようなこの…
行け 行け
ある日、高齢者が多い私の共同体のごミサで、「行け 行け 地の果てまで…」という閉祭の歌を歌いました。お御堂から出て、廊下で車椅子に座っているシスターⅮが大きい声で「ゆけ ゆけ…」と続けて歌っていました。車椅子を押している…
力強いアーメン!
忘れられない出会いがあります。 入会したばかりの頃、シスターKと一緒に訪ねた100歳近いお年寄りとの出会いです。彼女は寝たきりの生活のため、一緒にお祈りをするために訪問しました。シスターK がお名前を呼んでお声がけをして…
「私がおなかを痛めて産んだ子」
「母の命日」が近づいてきました。たくさんの思い出の中で、今の時期になると思い出すエピソードがあります。 あれは弟が反抗期真っ盛りの頃のことだったでしょうか。ある晩、父と母が言い合っていました。普段穏やかな母が、「〇〇〇は…
「おいしかったよ。ありがとう」
「3食ともおいしくない、というのはおかしい」 そう言われて、平地だと思っていた道にあった段差につんのめった、かのように、身体が硬直した。5月の連休中、神奈川県にある修道院に泊めてもらったときのことだ。東京では、朝食は5…