私がフィリピンに派遣されていた時(2015年)、教皇フランシスコがいらっしゃいました。ニュースなどのメディアで、訪問中の人々との出会い、お言葉を詳しく知ることができました。その中での一つのエピソードが私の人とのかかわりに大きな影響を与えてくれました。フィリピン訪問のすべては、まさにoption for the poor(貧しい人々への優先的選択), 貧しい人、苦しみの中にある人に出会い、共に祈り励ます事が中心でした。
司祭.修道者との集まりはスケジュールの最後の方で、ミサとそれに続く修道会の長上との短い集まりのみでした。そのミサが行われた聖堂は司祭と、それに続く集まりに参加するシスターたちでいっぱいになり、門の外には教皇様に一目会おうとするたくさんのシスターたちが立って待っていました。
ところがミサが終わると、教皇様は枢機卿をお供に聖堂の裏門から出られ、そのまま歩いて近くにある小さな子供たちの養護施設を訪問なさったのです。
突然の訪問でびっくりするシスターをよそに教皇様は施設に滞在するすべての子供を一人一人抱きしめて、それから修道者との集まりに臨んだとのことです。
このお姿を知り、“option for the poor” 貧しい人々を優先的に選ぶとは、誰に心をとめるのか、そしてその相手に伝えたいことは何かをしっかりもって行動することだ、と教皇フランシスコに教えられました。(Sr. A.S)