朝5時、介護棟のドアを開ける。聞こえてくるベルの音…
骨折で手術をし2週間の入院生活を送って昨日かえっていらした101歳のシスターの部屋。
「ハーイ…おはようございます…」と言いながら部屋の戸を開ける。ベットの上で着替えの真っ最中。
「ねえ、ねえ、ちょっと手伝ってよ。それからお聖堂へ連れっていって。」
うーん5時…聖堂にはまだ誰もいないし薄暗い。一人で置いておくわけにはいかないし、何かあったら…と私の頭は考える、着替えを手伝いながら。
「シスター、まだちょっと早いし聖堂にはまだ誰もいないから、5時半ごろお連れしますよ」と返答。
即座に、「大丈夫よ、私祈りたいの。私はもう年を取って何もできなくなったけど祈ることは出来るの。あなたのために、皆のために祈りたいのよ。」
笑顔の中に真剣な表情….
私は押されるように車いすに彼女をのせ聖堂へ。その間に彼女の指はロザリオをくり始める…
私はシスターの車を押し聖堂へと進みながら、ホイベルス神父様の『最上のわざ』と言う詩を
思い出し感動にあふれていた。
老いの重荷は 神の賜物
神は最後に一番良い仕事を残してくださる
それは祈りだ…
手は何にもできない…けれども最後まで合掌出来る
愛するすべての人の上に、神の恵みを求めるために…
ありがとうシスター…私たちも貴女のあとに続きます。
(Sr. H.S.)