マリアの宣教者フランシスコ修道会 日本管区

カナダ「新しい霊的家族」

ベトナム管区のマリア・マグダレナ・グエン・ティ・ゴック・トゥ(有期誓願5年目)とテレサ・グエン・ティ・チュック・ジャン(有期誓願3年目)は、国外での異文化体験のために、地球の反対側にあるカナダに向けて出発しました。始めて自国を出て、新たな文化の中で暮らした二人のシスターのわかちあいです。 

一年中暑い熱帯気候の国から、とても寒い初冬のカナダに到着しました。シスターマリアナ・ユンとアン・モダークが、空港で迎えてくださり、初めての外国で、前に足が進まないほど緊張していた私たちは、ほっとして、ようやく周りを見回すことができました。すると、映画でしか見たことのない、すてきな白い雪が目に入り、まるで私たちを歓迎してくれているかのように感じられました。カナダの最初の印象は、白い雪をかぶった木々と美しい建物の並ぶ、きれいな景色でした。ベトナムから外に出たことのない私たちにとって、すべてが新しく、どうしてよいのかわからないことばかりで、「私を強めてくださるお方のお陰で、私にはすべてが可能です。」(フィリピ4:13)という聖パウロの言葉に信頼して生活を始めました。カナダは本当に大きく美しい国で、冬の寒さ、様々な国籍の人々、食べ物などベトナムとは全く異なる文化を持ち、最初は驚くことばかりでした。

私たちが派遣された共同体は、モントリオールのパーク・エクステンションにあり、そこは世界中からの移住者が集まっている貧しい地域です。その多くはパキスタン人、インド人、スリランカ人、ギリシャ人そしてアフリカの人々です。FMMが奉仕しているアシジの聖フランシスコ教会には、20以上の国籍の人々が集まっています。ここに住み、人々とかかわり、宣教活動をすることで、多文化・多国籍の独特な環境の中で、心を開き、聞き合い、お互いにかかわることを学んでいきます。最初は戸惑うことばかりでしたが、私たちを温かく歓迎し、支えてくださるシスターたちに見守られて、少しずつ新たな環境に慣れてきました。シスターたちは、最初の日から私たちを姉妹として受け入れてくださり、私たちは本会が一つの体であって、一人ひとりの会員は生ける体の部分であるという確信が強められてきました。最初のうちは、もちろん、新しい言葉や異なる文化に慣れるまでとても苦労しました。しかし、言葉、文化、肌の色は違っても、シスターたちが皆忠実に同じFMMのカリスマ、同じ会憲、同じ精神を生きているのを見て、FMMのすばらしいカリスマを残してくださった創立者マリ・ド・ラ・パシオンに心から感謝しました。創立者の「どこにいても私たちは宣教者です。…私たちの召命ゆえに全世界が私たちの家なのです」という言葉が、実感できるようになってきました。

ここでの様々な体験を通して、生活の中で神の現存を、以前よりはっきりと感じられるようになり感謝しています。一つ一つの出来事を通して、神様は新たな事や困難に心を開き、謙遜に限界を受け入れることを教えてくださいました。全くベトナムとは異なる文化や環境の中に置かれて、神様の愛と摂理を敏感に感じ取り、神と人々に自分を捧げることの意味が以前よりもわかるようになった気がします。

私たちは9か月前にここに到着し、最初の「何もかもが新しい」日々は過ぎさりました。第二の家族のような心遣いと愛に包まれて、少しずつ新たな生活のリズムに慣れてきました。毎日曜日の午前中は、カテキズムの子どもたちが、私たちを大いに喜ばせてくれます。ミサの後、お昼頃には、皆がコーヒーを手に信徒会館に集まり、1週間の仕事の苦しみや心配事をわかちあい、喜びのうちに楽しいひと時を過ごします。さらに、若者のグループと出会う機会もあり、今の生活や彼らの夢も聞くことができました。これらの体験一つ一つを通して心を開くことを学び、神様の無条件の愛を感じることができました。言葉は不十分でも、喜びに満たされた私たちの姿を通して、人々に神様を示すことができたようです。

もちろんさまざまな限界もありますが、神様はすべての問題をよりよいものに変えてくださいます。私たちは毎週水曜日に、高齢シスターたちの修道院を訪問しています。そこで、シスターたちは、長い奉献生活で体験したさまざまな出来事をわかちあってくださいます。また沈黙のうちに苦しみを捧げ、祈っている姿に接し、あらためて奉献生活のすばらしさを感じました。このようなシスターたちに続く召命の恵みをくださった神様に心から感謝しています。

シスターたちの祈りの生活や忠実に召命を生きる姿を見て、宣教者たちの人生の最後は、さらに深く神様と一致する恵みが与えられることがわかりました。マリ・ド・ラ・パシオンは「深く神と一致している魂には、どんな出来事もどんな被造物も触れることはできません。この完全な一致はあらゆる喜びに勝るものです。」と書いています。(1894年12月12日の手紙)

終生誓願前にこのような異文化体験をさせてくださった、本会、ベトナムとカナダ管区のシスターたちに心からの感謝しています。宣教生活が要求するチャレンジを体験することによって、愛に成長する機会をいただきました。私たちが歩む旅路において、創立者のカリスマの光が本物の神の使徒になるための支えになると思います。そして、どこに派遣されてもそこが「新しい霊的家族」になることを実感することができました。

創立者の愛に関する言葉で締めくくりたいと思います。「もっと多くのことをできるかどうかはわかりません。しかし、愛することは…難しいことでしょうか。いいえ。愛することは、難しくありません。愛する時、仕えることはやさしくなります。私たちは、自分が好きだからあるいはおもしろそうだから、ここに行ったり、あちらに行ったり、この仕事をするわけではありません。愛するからそれを行うのです。」(1902年コンフェランス)

M.Madalena Nguyen Thi Ngoc Thu, fmm 

Theresa Nguyen Thi Truc Giang, fmm