今、「受け入れの家」という、私たちの修道院の続きで、生活困難者のために解放しているところに、新しくイタリア人の母と二人の息子(17歳と12歳)が入ってきました。 お母さんは、貧しさからドラッグの売買に手を染め、逮捕され、自宅謹慎の身でしたが、13年前、この「家」に住んだことがあったという縁で私たちのところに来たのです。 州を変えて遠い町で一から出直したい、と猛烈な勢いで仕事と部屋探し、そして、そのための書類を整えている最中です。 こちらは6月に学校が終わるので、終わり次第子供たちを転校させる予定です。 先日、彼女とゆっくり話す機会がありました。 「私の息子たち、良い子たちでしょ? 母親が逮捕されてもずっと学校に通い続けて、色んな嫌な目にも遭ったに違いないのに、私に一言もいわないの。 そして、勉強も怠けずにサッカーに夢中になっている姿を見ると、申し訳なくてね。 この子たちがこんなにしっかりしているんだから、私も口だけじゃなく説得力のある母親になりたいって思う。 今度こそまっとうな人生を送るんだって決めたのよ。 こんな母親なのにグレないでいてくれた息子たちへの、これが私の恩返し。」と。 親子の深い愛を感じる話を聞かせていただき、心が動きました。 天のおん父も、そんな彼女と息子たちをご覧になって喜んでいらっしゃるように思います。 明るくてムードメーカーで肝っ玉母さんのこの女性に多くの幸がありますように!
お母さんの恩返し
- 愛されている者の生活
- 亘理の七つの喜び(第7話) 最終回 ―戦国時代―