最近、世界中で、洪水や自然災害が、頻発しています。2015年 7月から9月にかけて、ミャンマーでは大雨や地滑りによって約25万人が被災しました。Sr.テレサがその様子を分かち合ってくださいました。
ミャンマーの大水害は、2015年7月から9月まで続きました。2008年の超大型台風以来の最もひどい自然災害で、全国14州中12州が被害を蒙りました。ひどい大雨で地滑りが起き、洪水によって多くの畑、道路、線路、そして家が流されてしまいました。政府は7月30日に、最も被害が大きい西部の4地区に非常事態を宣言しました。そこは、チン州のハカ教区とカライ教区も含まれ、私たちの6つの修道院がある地方です。
「状況は壊滅的で、特にチン州のハカ教区とカライ教区の状況は本当にひどいものです。大雨による地滑りで、多くの家や建物が流され、浸水した教会もあります。カトリック教会は、カリタスや地域緊急ユニットを通して、被災者に支援の手を伸ばしています。」と言うミャンマー司教協議会社会部部長のレオ・マン師の談話があり、「カレイ教区センター」に多くの救援物資が送られてきたそうです。
私たちの修道院のあるチン州のトングザンの被害は莫大なものでした。チン州はもともと貧しく、先住民が多く住む地方です。大雨の被害はひどく、道路や橋が流されてしまったので、全く孤立してしまいました。医療問題も深刻な問題でした。衛生状態の悪さから、発熱、下痢など、水を媒介とする伝染病が広がり始め、同時にマラリアやデング熱など、蚊を媒介とする伝染病も蔓延し始めました。
その状況は、人間の手に負えるものではなく、すべてを神の手に委ね、人々と共に断食して祈りを倍加したのでした。村のために生活必需品がどうしても必要だったので、生活必需品が手に入ると思われる「カレイ教区センター」に行くことにしました。しかし、通常の道路や橋が流されてしまっているので、そこに行くには横道を徒歩かバイクで行くしか方法がありませんでした。
ひどく困難の旅をしてカレイに着いてみると、私たちの書類が不備だったために、また私たちの村に戻らなければなりませんでした。それで、また昼も夜も歩き続けて、トングザンに戻りました。ようやくカリタスから支援物資をもらった後にも、また別の問題に直面しました。私たちには、人々のもとに救援物資を届ける交通手段がないのです。必要なところに救援物資を届けるためには、村から村を経由して、だいたい40から50台のモーターバイクが必要だと思われました。
交通手段の問題がありますが、私たちはどうしても、もっとひどい状況にある村々に行きたいと思いました。それで危険を冒して、近隣の村を訪ねて回りました。特に、何としても、ナク・ザンという村に行きたいと思っていました。その村は村全部が流されてしまい、村人たちは、山の中の一つの教会に避難しているという情報をもらったからです。
そこに到着するのは本当にたいへんでしたが、幸いに、私たち二人のシスター、神父様、フランシスコ会のブラザーそしてトングザンの数人の信徒が、山の中の教会に着き、被災者たちと出会い、ミサを捧げることができました。共にパンを裂いた時、この被災地の只中で、主が私たちと共に苦しんでくださっていることを感じ、喜びに満たされました。ミサの後、私たちが担いでいった、食料、衣料などを人々に配りましたが、支援物資よりも、私たちがそこに行って、パンを裂き、彼らと共に過ごしたことを喜んでおられるようでした。
被災者として、共に分かち合い、共に歩む中で、大きな喜びと平和を感じることができました。しかし、未だに状況はとても厳しく、復興は進んでいません。皆様のお祈りの中で、ミャンマーの被災者を思い出して頂けると幸いです。
Theresa Naing, fmm