2006年の秋、ナバアの小さな共同体の姉妹たちは週末に山に登り、迎える新しい年をどのように生きるかを考察しました。レバノンの国は夏の戦争の傷跡からまだ立ち上がっていませんでした。そのときの共同体目標にはこう書いてあります。 「この国をすっかり後退させてしまった2006年夏の苦しい出来事以降、傷ついた社会は、平和、正義、信頼への叫びをあげています。私たちフランシスカンの召命は、メンタリティや宗教、政治思想の間にある憎しみと恐怖の壁を打ち壊して、各自の持つ豊かさによって橋を架けるようにと私たちを駆り立てています。この国で不安を感じたり、信頼を失った人々に呼びかけ、各市民がそれぞれの役割と場所を確認し、出会うことができるグループを作るように・・・」
2007年1月、一人の姉妹の話をきっかけに呼びかけが始まりました。5週間の間、経済的資力もないまま仕事もやめずに、毎週4時間近く集まりを行った結果、「Forward for Peace」という運動を組織しました。そこにはアムネスティ・インターナショナル、エコグループ、イスラム・キリスト教対話の女性グループや個人の参加もありました。
2007年2月24日。
「Forward for Peace」は市民や平和を希求するグループに、午後6時、ローソクを手にベイルートの国立美術館前に集まるよう呼びかけました。それは人々の平和への渇きを力強く表現し、平和へ向かう行動に結びつける印とするためでした。2週間前からナバア街のお母さんグループはローソクと燭台を準備し、平和活動の印としてつける白い小さなリボンも用意しました。
当日は約200人の意気込んだ人々がベイルートの大きな十字路で国家を歌い、道行く車は速度を落としてその光景を眺めていきました。私たちの数多くの小さな光は象徴的に夜を照らしました。「平和活動憲章」が数人の声で読まれ、全員でそれを繰り返しました。準備された大きな紙にそれぞれが署名し掲示されました。個々の署名用紙は各自がいつも心に留めておくことができるように自分で持ちました。レバノンの伝統的な歌、アイデンティティと共生の豊かさについての歌がいくつも歌われ、その場の雰囲気はとても和やかになりました。多くのメディア(テレビ・新聞・週刊誌)も来て、この象徴的なイベントを報道しました。
「Forward for Peace」はこれからも集まりを続け、単純な活動から広げてキャンペーンを始めるつもりです。暴力や分裂、戦争を超えて、平和が唯一の現実となるまで私たちは差し出した腕を下ろすつもりはありません。