マリアの宣教者フランシスコ修道会 日本セクター

花は、花は、花は咲く・・・

先日南相馬市小高区を訪ねました。原発の事故現場から半径20キロ以内に入っているために住民の方々は強制的に避難させられ、1年経った昨年4月16日に立ち入り禁止が解除になった地域です。私たちは放射線の線量を測りながら、日本三大磨崖仏があるというところにまで足を運んでみました。行ってみると確かにそれらしいものがありました。しかし私はそれよりも、その境内の隅の方で咲いていた小さな梅の花に感動しました。古木なのかどうかよくわかりませんが、木の根元が2つに裂けて、一方はまっすぐ上に枝を伸ばし、もう一方が地面に着きそうに横になっています。ところがその枝の先の方に視線を動かしていくと、小さな梅の花が咲いているではありませんか。よく見ると、1輪、2輪ではなく、たくさん咲いていました。驚きました。5つの花弁を精いっぱいに開いています。人間は避難しましたが、木は動くこともできず寂しさに耐えながら季節の移ろいを感じていたのでしょう。そして、時が回ってきて、「咲く」ことができたことを全身で喜んでいるかのようです。見てくれる人もまれなのに。「・・・花は、花は、花は咲く・・・」の歌が心に浮かんできました。自然の営みに励まされながら、私たち人間も再び咲くことができますように・・・と願っています。