マリアの宣教者フランシスコ修道会 日本セクター

私たちを通して働かれる神さま

19世紀から20世紀にかけて北関東を中心に宣教されていたパリミッション会のカジャック神父様に導かれ、私の曽祖父はカトリック信者になりました。宇都宮の松が峰教会を中心にして教会活動をし、子ども、孫、そしてひ孫である私たちもカトリックの信仰の中で育ったのです。

生まれた時から自分のまわりにいる家族の中にシスターが多くおり、父のいとこ、シスターSも私が物心ついたころには、すでに修道院に入っていました。そのような環境のためかシスターへのあこがれは幼いころよりありましたが、自分がなるとは思っていませんでした。「自分もシスターになるよう招かれているのでは・・・」と感じ始めたのは14歳のころだったでしょうか。その後も家族に守られ、信仰を大切にする生活を続け、学校教育が終わり成人した時、私は神様の招きを確信し、シスターSと同じ修道会に入会しました。

シスターSには若いころから何度も繰り返し「信仰をしっかりもってね」と言われたことを思い出します。苦しいことがあった時に揺らぐことない信仰のことです。苦しい時にこそ、神様が力をくださることを強く信頼し、乗り越えられるように願い求めるのです。神様はいつも一緒にいてくださいます。

誰にでも分け隔てなく優しい笑顔を見せ、世話好きなシスターSでした。私以外にも、修道生活の初めに励まされて初期養成の時期を送ったシスター、また困難な時に修道生活を続ける力をもらったシスターは多くいます。彼女は先日、天国に召されました。

自国フランスを離れ、日本の地に死ぬまで宣教に献身し尽くしたカジャック神父様に曽祖父が導かれ、私たち家族はその大きな恵みの中で育まれました。その中から生まれたシスターSも生涯を宣教のために捧げつくし、私もそのあとに続いています。人から人へ、人を通して神様の働きは今日も続いているのです。

(Sr.I.O)