マリアの宣教者フランシスコ修道会 日本セクター

アイルランドで -共に生きること-

私がダブリンに来てから、まもなく3年半になります。

アイルランドには5つの共同体があり、そのうち二つは主にアイルランド人の高齢の姉妹たちの共同体になっています。英語圏ということもあり、英語を母国語としない姉妹たちが語学の勉強のために来ることも多く、今まで中国、韓国、ベトナム、スリランカの若い姉妹たちと一緒に生活してきました。ほかには、インドネシア、フランス、ポーランドからの姉妹たちがいてとても国際色豊かです。

これはFMMに限ったことではなく、アイルランドはEUに属する国なのでヨーロッパ系の外国人が多いです。そして、アジア系、アフリカ系の人もよく見かけます。移民も多数受け入れておりウクライナから避難してきている人も8万人以上います。(アイルランドの人口は約500万人)そのためなのか、アイルランド人はとても大らかでフレンドリーな人が多く、誰でも受け入れてくれる寛大さを持っていると感じます。バスで隣に座っただけで話しかけてくれる人も多く「どこから来たの?」「アイルランドにはどのくらい住んでいるの?」「せっかく来たなら是非〇〇に行くといいよ。きっと気に入ると思うよ」と言って観光情報を教えてくれたりもします。そして最後には決まって「あなたはアイルランドが好き?」と聞きます。私が「アイルランドは素敵な国で優しい人が多くて大好き」と答えると、とても嬉しそうにウィンクをして微笑みかけてくれます。また、私が日本人だと知ると、何かしらのつながりを見つけようとしてくれるのにはいつも感心させられます。例えば「私の甥が日本人と結婚して東京に住んでいるのよ」とか、「日本は僕が一番行きたいと思っている国だよ」とか、「私の最初に勤めた会社の上司が日本人で、すごくいい人だった」といった具合です。道でばったり会った訪問介護をしている女性は「私がお世話をしている人は、日本の車メーカーで働いていた人で、車はN社しか乗らないのよ。きっと喜ぶから、是非彼を訪問してあげて」と誘ってくれ、お宅を訪問したこともありました。私はこの国では外国人だから、できるだけこの国の文化を学ばなくては、と思って少し苦しい思いをしていました。けれども、このように人に受けいれてもらうことによって「共に生きる」ということを学ばせてもらっているのだと感謝しています。そして、私はこれだけ相手のことを思い、出会いを大切にしているだろうか、と自分に問いかけるきっかけにもなりました。

一緒に学ぶ人たちからは「あなたのやりたいようにしたらいいよ」「あなたのミニストリーはあなただけのもので素晴らしいよ」「あなたのやり方でやってみたらいいよ」と励ましてくれます。私はアイルランドの人々や教会のために何かお役に立てることはないだろうか、と思っていましたが「ありのままの私」が人々の中に存在することを、私が受け入れることを体験させてもらっているように思います。

 

(Sr.K.K)