今年はねずみ年ということでねずみを題材にした「令和2年は子(ね)年(どし)ねずみに注目」というタイトルの番組がラジオから流れてきました。ゲストにねずみを主人公にした絵本作家「岩村和夫」氏が招かれご自分の絵本への想い、大切にしていることなどを語っておられました。代表作に里山の自然の生き物を題材にした「野ねずみの14ひきのシリーズ」があります。
この作品は「お父さん、お母さん、お爺さん、お婆さん、そして10匹のねずみ兄弟たち」が登場する物語です。岩村氏が絵本を描くときに特に心がけていることは、個性を大事にして描くこと、自分の兄弟は6人で子ども5人いるが、一人として同じではないと云われ一人一人の個性に注目して10匹のねずみを描いているとのことです。多様性が求められている現代社会でも大事なことだと思いました。
また、本の背景の自然を描くときも自然の細かい所まで丁寧に描くために、カメラを地面に置いてみる。そうしないと本当の自然は描けない。低い所に身を置くから自然は見えてくる。いろいろなものが見えてくる。高い所からでは見えない。身を低くして観るから草の中にいる小さな命に気づく。これらのことを自然から学び、そして子どもたちにも学んでほしいと語っておられました。
「人は一人として同じでない、皆違っていていい」
「身をかがめ低い視線で物事を観ること」
この言葉は本当に大切なことで今、求められている生き方だと思います。このような物の見方・考え方が広まれば戦争のない平和な世界が実現するのではないかと思います。
「令和2年は子(ね)年(どし)ねずみに注目」というタイトルで始まったラジオ番組でしたが、とても貴重なことに気づかせて貰いました。
今年は身を低くして観る感性を、自然の中に生きている小さな命、野ねずみたちから学ぶ年にしたいと思います。
(Sr. N・K)