29才で修道院に入った時の忘れられない思い出です。
是非お聞きください。
修練期に私は「この生活に入るとしたら、絶対に悟らなければならないことがある。それが解らなければ、入らない方が幸せである」と考えていました。それは、とことん「私は罪深い人間である」という事。私はマリア様の取次ぎを願い、ロザリオで9日間のノベナの祈りを真剣に祈りわからせてくださいと願った朝、風邪をひいて寝てしまいました。すぐに良くなりお腹がすいたので、
食堂の横にある部屋にアップルパイが置いてあるお皿を見つけ、2人分のようだったけれど、あまりのおいしさに全部食べてしまいました。
その時、部屋の戸が開き、副修練長のスペイン人のSr.モンセラートが入ってきて、
「あら!もう良くなったの! あらここに2人分のパイがあったでしょう」と、
私はとっさに 平気な落ち着いた顔と声で、
「さあ・・どうでしょうかね。 誰か食べたんじゃないですかね」と答えると
シスターは出ていきました。
さあ・・・そのあと私の「心の臓」がドキドキと鳴りやまず、自分の部屋に入り、ロザリオを握りしめ、どうしよう! どうしよう! マリア様助けて! もうほんとうのことなんかいえないよと行ったり来たり、でもやっぱり、本当のことを言いに行こうと、 Sr.モンセラートの部屋を、震える手で恐る恐るノックしました。顔も青ざめていたと思う。
彼女は 「ハーイどなた」なんて明るい声で答え、
「あら どうしたの 何の用事?」
「あのーあのー 本当は、先ほどのあのーアップルパイは私が全部食べてしまいました」
Sr.はきょとんとして「あーら よく食べられたわね。よかったじゃない」・・・
そのあとの私はどうなったかわかりますか…というわけでその夜はイエズスに向かって、人のせいにすることの罪とあっという間に自分を守る嘘をつく罪を知らされ、泣きはらしました。
そして、Sr.モンセラートの愛の深さ 広さ 大きさを体験させていただきました。
またこれは神様の愛の体験です。
(Sr.T.T)