11月に入って山々が色づき、渋川の街から四方に見える山々が秋の日を受けて赤茶色に染まって見える。こちらの修道院に越してきてから赤城自然園に行くことができるようになった。春にはシラネアオイに誘われるように、初秋にはアサギマダラが来ているという情報を得て会いに出かけた。赤城の山を見ると、そうだアサギマダラを見たと思い出す。
9月にみたアサギマダラは今、どのあたりを
飛んでいるのだろう。暖かいどこかの島に
いるのかもしれない。アサギマダラは1000キロから2000キロを旅する蝶として知られている。赤木自然園に生息するフジバカマが花をつけるころ、東北から南へと南下する途中に毎年やってくるというのだ。
よいお天気の日曜日の午後、ちょうどマーキング体験をやっていて、蝶の羽に捕獲の日付と場所を書いてまた放蝶するところに行きあわせた。美しく群れて咲いたフジバカマの花畑にたくさんひらひらと人を恐れることもなく飛び回っていた。マーキングされるときも、カメラを向けられても静かにどうぞといっているみたいだ。一日に200キロも飛ぶことがあると聞いてびっくりした。上昇気流に乗って飛び立つとのこと。そして、毒のある植物の蜜を吸って体内に毒を持っているから野鳥にも守られて飛んでいけるという。初めて知ったアサギマダラの話を聞きながら、目の前を飛ぶ蝶がたまらなくいとおしくなった。
なんという大自然のいのちの仕組みだろう。まだまだその生態が知られていないのでマーキングを行って、どこまで飛んでいくのかが調べられているそうだ。
帰り道、自然園の入り口近くにまた飛んでいるアサギマダラの写真を撮ったら、どうも先ほどマーキングされたばかりの蝶のようだった。これから南の暖かいところに飛んでいくのね。
元気で行ってね。上昇気流に乗って遠くまで飛んでいくのね…
私も、聖霊が吹かせてくださる風に乗って浮力をつけて飛び続けて生きたいなと思った。
自然に任せて、恐れず旅するアサギマダラのように。
(Sr.K.K)