忘れられない出会いがあります。
入会したばかりの頃、シスターKと一緒に訪ねた100歳近いお年寄りとの出会いです。彼女は寝たきりの生活のため、一緒にお祈りをするために訪問しました。シスターK がお名前を呼んでお声がけをしてから始めます。そうして、しばらくしてからお祈りをします。十字を切って、主の祈り、アヴェ・マリアの祈り、栄唱、という短い祈りです。祈りが始まっても、おばあさんはずっと目をつぶったまま。時々口の中でもごもごとおっしゃっていて、「ああ、きっと心の中で唱えておられるんだ」と思っていました。
お年寄りを訪問することにまだあまり慣れていなかった私は、内心ちょっと不安な気持ちでもありました。「大丈夫なのだろうか」「疲れていないのだろうか」などと、色々な考えが瞬時に頭の中をよぎっていました。
祈りがいよいよ終わりにさしかかり「父と子と聖霊のみ名によって…」と唱えていると、突然、おばあさんの口が大きく開いて「アーメン!」とおっしゃったのです!その声の力強いこと。
さっきまでの声とは比べようがないくらいに、はっきりと大きく聞こえました。この方の生涯を貫く信仰の証でした。「わたしは信じます!」と宣言しておられるように思われました。お部屋の棚には、まだお元気だった頃の写真が飾られていましたが、とても上品で凛としたお姿でした。
どのような人生を歩んでこられたのか、もはや直接伺うことはかないませんでしたが、この大きな「アーメン!」にすべてが集約されているような、そんな一言でした。それからしばらくしてから天国へ旅立たれましたが、私の生涯で忘れられない出会いの一つとなりました。神に感謝!
(Sr. AM.O)