マリアの宣教者フランシスコ修道会 日本セクター

ラウダート・シに応えて―フィリピン

phillipinesTanghal Kalikasan:「ラウダート・シに応えて」は、2016年2月20日、フィリピンのステラ・マリス学園で、学校をあげて、今日の世界とフィリピンの環境問題の意識を高めるために開催されたエコロジー・コンサートです。その様子を少し分かち合いましょう。

 

 

espiritualidad-franciscana-en-la-enciclica-papal回勅「ラウダート・シ」は、師父聖フランシスコの太陽の歌からとられた題名の回勅で、「ともに暮らす家を大切に」という副題がついいています。教皇フランシスコはこの回勅で、今日の世界の消費主義や飽くことを知らない開発に警告を発しています。教皇は、世界中の人に、環境破壊や地球温暖化に対して「すばやく総合的な行動」を起こすように呼びかけておられます。私たちは、母である地球の温暖化の影響を真剣にとらえるように呼びかけられているのです。

毎年、ステラ・マリス学園では、「地球の日」に、植樹や海辺の清掃をしたり、母なる地球が休みを取れるように、教室で電気製品の使用を制限したりして、学校全体で具体的な活動をしてきました。

「ラウダート・シ」が出される随分前に、ステラ・マリス学園では、創造の霊性と環境問題についてセミナーを行ったことがありました。そのセッションでは、頭で理解すること、黙想すること、そして観想することを深め、統合していきました。

このような活動を通して、私たちは、貧しい兄弟姉妹に大きな影響を及ぼし、数多くの生物が姿を消していく原因となっている地球温暖化や気候変動の問題に関して、意識を高めてきました。

Tanghal Kalikasanに戻りましょう。ph-2「ラウダート・シに応えて」の企画、リハーサル、公演、評価反省などすべての過程で、学校共同体がみごとに協力できたことを感謝しています。第一の目的は、出演者の生徒たち自身、それを見る他の生徒たち、そしてこのイベントに集まった人々が、神の作られたすべての被造物を大切にする意識を高めることでしたが、一致協力することで、生徒同士、また教員と生徒のつながりが深まったことも大きな収穫でした。

学校全体がこのイベントに参加しました。幼稚園から10年生まで、1642人の生徒、そして120人の教職員全員が熱心に取り組みました。保護者たちも、協力的でよく支援してくださいました。同様に、FMMのシスターたち、友人たち、恩人たちもイベントに参加してくださいました。

生徒たちの発表は、創造的なすばらしいものでした。教皇フランシスコの精神をよく理解し、ビデオやインターネットからの適切な環境問題のクリップアートを取り入れていました。また、舞台発表では、一人一人が力いっぱい自分の役割を演じていました。

site1フィリピン北部の山岳地に住む先住民の苦境を映し出したビデオが、舞台発表の前準備となりました。政府に許可を受けた開発会社のダム建設計画によって脅かされている先祖からの土地を守るために、先住民の共同体が闘いを続けている映像です。このビデオを見た後、学生たちは、ダム建設反対の署名運動に参加することを決めました。ダム建設は、気候変動を起こし、先住民ばかりでなく、山の他の生物にも危険を及ぼすからです。

またこのイベント後の活動の一つとして、minit10年生が、北部の農民たちの間で、環境問題を考える体験学習の一日を持ちました。農民たちの生活を理解し、動物や植物を観察し(初めての体験の子どもいました)畑から食卓まで、食べ物がどのような旅をしてくるのかを学び、生徒たちの食物に対する意識が変わりました。農民の方では、生徒たちが心を開いて、彼らの生活を熱心に知ろうとしている態度に、感心したようです。

もう一つのすばらしい結果は、学外の福祉活動です。ステラ・マリス学園の教職員とコルプス・クリスティ修道院のシスターたちが協働して、マニラ郊外の貧しい人々のための活動を始めました。

この活動のためにいくつかのグループが作られました。資金集めのためにプラスチック製品を集めるグループ、病人を訪問するグループ、また貧しい家庭に食物を届けるグループもあります。

参加者は皆、この活動を通して、神、そして神の愛する貧しい人々との出会いの中で、すばらしい体験ができたことを感謝しています。

教皇の回勅「ラウダート・シ」に励まされて、ステラ・マリス学園は、ともに暮らす家、母なる地球を大切にする歩みを新たにすることができました。これからもこの歩みをいつくしみ深い神が導いてくださるように祈っています。

Mary Concepcion T. Jomen, FMM