ボスニア出身のRenata Relja, fmmは2年前にモロッコに派遣されました。出身国とは、宗教も文化も全く異なる環境の中で、周りの人々との関わりを深めようと努力しているシスターが、この2年間の気づきを分かち合ってくださいました。
私は2年前からモロッコで暮らしています。モロッコは豊かな伝統あるイスラム教国ですが、人々はとても親しみやすく、外国人もよく受け入れ、約90か国の人々が、モロッコに住んでいます。しかし、キリスト者は少数派で、約3,000万の人口のうち、キリスト者はたった2,500人に過ぎません。
こちらに来て初めのころは、教会の鐘が鳴らないことに驚きました。町には、イスラム教のお祈りが一日に3回鳴り響きます。よく私たちのミサの間に、イスラム教のお祈りの声が響き、二つの異なった祈りが一つの祈りになります。
この国の人々と宗教をよりよく理解し、愛するために、私はアラビア語とイスラム教学の勉強を始めました。それで、近所の人々や私が赤ちゃんのお世話をしている乳児院の職員さんたちと、言葉を交わすことができるようになってきました。市場や雑貨屋に買い物に行くときには、アラビア語で話すように努力しています。
モロッコでは、直接、イエス・キリストについて語ることはできませんので、私の生き方を通して、イエス・キリストを証ししようと努めています。初めて出会った人に、「私はボスニアから来ました」と話すと、いつも「イスラム教徒ですか」と問われます。というのは彼らは、イスラム教が一番すばらしい宗教だと思っているからです。私が「キリスト者ですが、皆様のようにお祈りしています」と答えると、彼らはとても驚きます。イスラム教徒は本当に良く祈り、歩道で、植物園で、飛行場で、また職場でも、どこででも祈る姿に、感動させられます。
この2年間、私の主な使徒職は、サハラ砂漠以南からの移住者の話しに耳を傾け、共に歩むことでした。
人々の間にあって、私は生き方でイエス・キリストを伝えたいと思っています。モロッコにいるシスターたちは普通の人のような服装をし、公の場所では、十字架を付けることもできません。これは私にとっては少し寂しいことですが、他宗教の人々を尊敬することになると思っています。移住者と共に歩む中で、人々への尊敬、連帯、兄弟愛、対話のメッセージを伝え、彼らをサポートしています。
モロッコでの日々を通して、私は、教会の秘跡の捉え方が変わり、信仰が深まってきたと感じています。実際ここでは司祭の数が限られており、滅多にミサに与ることができないのですが、そのために、以前よりもより熱心にミサに与り、神様を近く感じさせていただくようになりました。他宗教の人々の間にあって、周りの人々の文化・宗教を尊重しながら、福音的な価値観を生き方を通して示していくことは、大きなチャレンジですが、同時に神からの私への大きな恵みだと思っています。
Renata Relja, fmm