立春が過ぎたら「そろそろ出さないとね・・・。」の合言葉で、お雛様の飾り付けが始まります。私の職場では、各季節の飾り付けは担当者がすべて飾っていましたが、何時の頃からか各部署で飾ることになったので、このような会話になるのです。
各部署の状況に応じて段飾りだったり、内裏雛(雄雛と雌雛)のみだったりするのですが、私たちの部署は、年代物の木目込み人形を下駄箱の上のスペースを使い、平飾りをしています。毛氈を敷いて屏風を飾り、内裏雛から順番に飾って行くのですが、まず問題になるのが、どちらが右になるのかと言うこと。その問題が解決すると三人官女の位置、五人ばやしの位置、右大臣と左大臣は向かって右なの、それともお雛様から見て右なの・・・等々、問題が次々出て来てそのつど、説明書を読んだり、パソコンで確認したりと、大忙しです。お道具も沢山あり細かくて大変です。
ところで雛飾りで登場する人形は、内裏雛、三人官女、五人ばやし、右大臣、左大臣、三人の仕丁で十五人のはずなのですが、私たちが担当する雛飾りは二人多いのです。何処かの雛飾りと混同しているかも・・・と思いましたが、木目込み人形は私たちの部署のみ。
私たちは、「この二人は誰なんだろうね?」と言いつつ適当に飾っていたのですが・・・。
去年こと、何時ものように雛飾りについて調べ物をしていた時、段飾りのお雛様の写真に目が留りました。有名ブランドのお雛様でしたが、何か感じが違います。良く見てみると、五人ばやしではなく七人ばやしなのです。調べてみるとメーカーによっては七人ばやしもあるとの事で、晴れてこの二体の人形は七人ばやしとして並ぶことに・・・。
ところが、今年になって「このお雛様は、二組あったらしい」と言う情報が・・・。確かに雛飾りはご寄付でいただいたものが多いのですが、木目込み人形が二組そろう事は無いのでは・・・? それに、捨てられた人形や、お道具なんて無かったと思うのですが・・・。謎が謎を呼んでしまいましたが、このような不思議なことがあるのもお雛様の魅力なのかもしれません。さて、今年はどんなことが解るのか楽しみです。
皆さんもこの機会に、ご家庭にあるお雛様の歴史をひも解いてみてはいかがでしょうか。新しい発見があるかもしれません。(Sr H.K)