真っ白に輝く雪景色、春になると鮮やかな緑に映える美しい花々、夏には果物がみのり、美瑛の丘に象徴されるようななだらかな丘には色とりどりの花が咲き、秋には赤く染まった木々が招く、何時も魅力にあふれた大地、北海道。多くの人々の心を捉え、一度は訪れたくなる・・・。
マリアの宣教者フランシスコ修道会札幌修道院の設立とその後
この北国札幌にマリアの宣教者フランシスコ会のシスターが到着したのは今から106年前のことでした。今でこそ修道院のある場所は札幌駅から徒歩15分くらいのとても便利な所なのですが、当時は貧しい人々が多く住む地域で、辺りには玉ねぎ畑が広がっていたと聞いています。最初に来たのはフランス人4名、イタリア人2名、メキシコ人1名の7名でそのうち6人が20歳代で1人が37歳と言う若さでした。同じころフランシスコ会の神父様方も札幌に到着され、兄弟姉妹たちは宣教熱に燃えていたという話ですが、そのことは、創設から6か月後には北海道で最初の女性フランシスコ第3会員と最初のシスター志願者が生まれたことからも解ります。3年後には「札幌天使病院」の開設を見ています。その後病院で働く看護師や栄養師の養成が始まり、時を経て天使女子短期大学、天使大学へと発展してゆきました。
現在札幌修道院で生活しているシスター方の多くは、天使病院で働いたことや、天使短大で学んだことがきっかけとなり信仰生活に入り、また修道生活への召命をいただいたと話しておられます。一世紀が過ぎ、時代の変遷や社会事情の変化などにより、天使病院も、天使大学も今は私たちFMMの手から離れていますが、私たちは今も「天使のシスター」と呼ばれています。
出掛ける宣教・招く宣教・祈りの宣教
札幌修道院は現在23名のシスターたちが生活しています。第一線を退かれたご高齢のシスター方の共同体なのですが「歳を聞いてびっくり!」「えっ、ほんと?」と言われるくらい「何時までも若く」を合言葉に、元気に楽しく生活しています。共同体の主な使徒職は二種類あります。一つは教会での入門講座や聖書の勉強会、家庭訪問や病者へのご聖体奉仕、刑務所訪問、病院でのボランティア、滞日外国人の子どもへの日本語支援、家族の介護やディサービスへの参加など出かけて行く宣教活動です。
もう一つは修道院に来ていただいて行っている入門講座や聖書の勉強会、パストラル・ケアの研修会の会場提供、希望者には一日ゆっくり祈っていただく個人黙想や同伴、卒業生や仕事で出会った方々との分かち合いや、召命黙想会の開催、「忘れない3.11つむぐの集い」など修道院にお招きして行っている宣教活動です。この二種類の宣教には全員が参加しています。実際の担当するシスターとお祈りでの後方支援で宣教を支えてくださるシスター方とで成り立っているのです。そして何よりも心強いのはご聖体の御前で祈る礼拝や、聖母マリア様にお取次ぎを願うロザリオの祈りなどが捧げられていて、祈りの宣教者、祈りの共同体になるようにつとめています。私たちFMMは死ぬまで宣教者なのですから。
縁の下の力持ち
私たちが特に恵まれていて感謝しているのは、カトリック北11条教会からフランシスコ会の神父様方が雨の日も、風の日も、大雪の日も欠かさずローテーションで「聖体祭儀」(ごミサ)にきてくださることです。一日を祈りで始め、そしてピリッとした当日の聖書のお話をしてくださり、朝食時にはその話で盛り上がることも度々です。霊的に豊かにされる私たちは幸せ者、でも聞いたことを実行に移すかどうかは別問題!?…、弱い自分を見ることもしばしばです。
このような生活が出来るのも、聖堂係りのシスターが毎朝早く起きて準備をしてくださったり、「腹が減っては宣教できぬ」で、食材の購入や和気あいあいでいただく美味しい食事を作ってくださる方々(2名の奥様が交互に助けてくださっています。)や、食堂を整えてくださるシスターのお働き、フランシスコの娘にふさわしくお庭をきれいに整備してくださるシスターや、お訪ねくださる方々を愛をこめてお迎えしようと心を配って受付のお仕事をしてくださるシスター方等たくさんの「縁の下の力持ち」のお蔭で、共同体がスムーズに動いているのです。
来てみてください
どの季節にも美しさ、静けさがあり、「ほっとする」と訪れた方々が良く言われます。特に5・6月はお庭の花々が一斉に咲き、お花を見ているだけでも癒されます。
忙しい日常から離れしばし足を止めて、深呼吸してみませんか?
ひとりで静かな時を過ごしたい方、祈りたい方、悩みが多く聞いて欲しいと思っている方、自分の道を捜している方など、ご連絡ください。日時調整をして、いつでもWELCOMEです。
札幌修道院のシスター一同、お待ちしています。