マリアの宣教者フランシスコ修道会 日本セクター

切り倒される杉の木

 私たちが南相馬に住むようになって間もなく2カ月。近所では個人の家の除染が進められています。庭の土を何センチか削り取って、新しい土や砂利を入れているようですが、結構時間がかかっています。また、庭の土を入れ替えるだけではなく、屋敷林・防風林として大切にされてきた杉の木も切り倒されています。杉の木の葉っぱに放射線がついているからだそうです。
あるお宅では、杉の木を60本以上切り倒したそうです。樹齢100年も経っているものも中にはあったようです。別のお宅でも杉の木を切り倒しています。
今まで私の家からはそちらのお宅はほとんど見えなかったのに、今では丸見えです。一体何本の杉の木が切り倒されたのだろうかと気がかりです。私たちがお借りしている家は、全部、大家さんの家の庭にあった木で作られているのだそうです。屋敷林として、暴風から家を守った木が役目を変えて家の材料になる、素晴らしいことです。放射線の心配さえなければ、人々はその杉の木で家を建て替えることができたかもしれないのに、と思ってしまいます。