マリアの宣教者フランシスコ修道会 日本セクター

あきらめなければ道は開ける?

 毎年この時期になると、私は中高生と一緒にフェルトのクリスマスツリーを作ります。ほとんど毎時間と言っても良いほど、糸をもつれさせる生徒が出て来ます。6本よりの手芸糸から1本を引き抜くときに、あるいは縫いながら、糸をもつれさせてしまうのです。「どうしたらこんなにひどくもつれさせられるの?」と思わず尋ねてしまうほど手に負えないものにも出会います。昨日もそうでした。「これは立ったままではとてもできないわ。腰をすえてじっくりやらなくちゃ。」と教卓に戻り、椅子にすわって、もつれた部分を眺めまわします。時間がかかることもありますが、じっと見つめていると、もつれの中に解決の糸口になりそうな部分が見えて来ます。針を入れて、少しでもゆるみができればしめたもの。そのゆるみからほどけはじめます。1か所ほどければ、あとは順に解くことができます。解けた時の喜びは、もつれがひどければひどいほど大きいものです。「シスター、不可能です。いいです。切って使います」と言っていた生徒が、「あきらめなければ道は開ける」と感じてくれたら良いなと願いながら、私はもつれた糸と闘っています。