韓国管区に派遣されて1年がたちました。韓国語の勉強に明け暮れた1年でしたが無事に修了し、新たに派遣を受けて初めての土地、釜山(プサン)へやって来ました。
今年は9名が釜山共同体に異動してきました。韓国管区では、晩の祈りの時に新しく来た姉妹たちを受け入れる式をします。まずは、共同体の責任者が歓迎の言葉を述べます。それに続き、新しく来た姉妹たちは、新生活を始めるにあたって自分の決意や望みを象徴する物を奉納し、どうしてそれを選んだのかを説明します。ある姉妹は、台所の責任を任されたので新しいエプロンを奉納しました。このエプロンを着て、姉妹たちの健康のために心を込めて料理をするつもりですと説明しました。ある姉妹は、外国に宣教に行くために英語の勉強をすることになっているのでノートとボールペンを奉納し、一生懸命勉強するつもりですと説明しました。ある姉妹は、今まで脱北してきた子どもたちを支援する仕事をしてきましたが、新たに別の仕事を受けたので新たな気持ちで出発するつもりですと説明しながら真っ白な紙を奉納しました。私はといえば、サンダルを奉納しました。1年前、宣教者としての〝はじめの第一歩″を踏み出した私は、姉妹たちから多くの配慮や親切を受けて幸せに過ごすことができました。今年は〝新たな一歩″を踏み出して、愛を受けるだけでなく、私も姉妹たちや人々のために何かできるようになりたいと考えたからです。
早速新しい挑戦が始まり、客室の管理・台所の手伝い・ミサの準備などを任されることになりました。ミサや祈りの時にも、朗読をしたり、共同祈願をする機会を増やし始めました。特に朗読は簡単ではありませんが、みことばを直接伝えることができる喜びを感じながら一生懸命練習しています。先週からは、障がい者の施設でもボランティアをするようになりました。「子供たちや先生たちの話す言葉がわかるかしら?」と少し心配しながら施設のベルを押しました。しかしそんな心配は無用でした。ドアを開け、一歩足を踏み入れたとたん、「どこから来たの?」「シスターの名前はなんていうの?」「一緒にご飯を食べるの?」と矢継ぎ早に質問攻め。そうかと思えば私の手をひいて「ここが私の部屋、ここが私のベッド、ここがシャワー室、ここが先生の部屋、ここが…」と施設案内が始まり、最終的には「ここに座って一緒にテレビを見よう」とテレビの前に案内され、子どもたちのお気に入りの番組を一緒に見ることになりました。施設に足を踏み入れて10分ちょっと。10分前に初めて出会った子供たちと手をつないでテレビを見て笑いながら、幸せだなぁと思いました。一緒にパズルをし、体操をし、昼ご飯を食べ、歌を歌い、踊り、散歩し、話をしているうちにあっという間に夕方になりました。帰ろうとしていると言葉を話せない子どもがだまって手を振って見送ってくれました。この日小さな一歩を踏み出す勇気をくださったことを神様に感謝しながら修道院に帰りました。これからも小さな歩みを続けていこうと思っています。
(Sr.C.O)