南アフリカとスワジランド国境近くの、モザンビーク南部のナマンチャ地方で、FMMのシスターたちは、地域の人々と共に、その地域の発展を目指して、地道な歩みを続けています。
私たちは、ナマンチャから75kmくらい離れたエンチサという小さな村で、地域共同体の発展を目指して、人々と力を合わせて働いています。
ここで、私たちは次のようなミッションを行っています。
― 子どものデイ・ケア・センター:60人の子どもたちに、2回の食事と、年齢に応じた教育を施しています。
― HIV・エイズ患者の支援:ボランティアと一緒に、5つの村で、病人の世話や地域住民の意識化に務めています。病人の家庭を訪問し、薬の管理、身の周りのお世話、通院の同伴などを行い、また地域住民のために、感染予防教室などを開いています。何よりも病人に寄り添い、病人たちの苦しみを分かち合うことを大切にしています。
―HIV・エイズに感染した子どもたちのためのセンター:現在28人の子どもをお世話しています。
―修道院の畑:私たちの畑を地域の人々に開放し、作物を作り、食糧の足しにしています。また子どもたちの畑もあります。
―粉ひき場:自分の畑で採れたトウモロコシを持ってきて、粉にします。以前は遠くまで、トウモロコシを持っていかなくてはならなかったので、近くで粉ひきをできるようななり、住民たちが喜んでいます。
―識字学級:2クラスが開かれています。
私たちはこれらのことを、カリタス・オーストラリアの支援によって、「ABCD」プロジェクトに従って進めています。「ABCD」プロジェクトとは、自分たちの手で、自分たちの発展を作りだしていくプロジェクトで、一人一人のメンバーが地域開発の大切な働き手として、計画の立案から実施まで、自分たちの手で行っていきます。つまり、誰か専門家が助けてくれるのを待つのではなく、自分たちの手で、できるところから始めていくのです。ですから、今までお話ししたミッションの数々も、私たちFMMが始めたというよりも、地域の人々の必要から生まれ、人々の力によって運営されています。
私はシスターとして、自分の持っているもの、自分が知っていること、そして私自身を、この地域共同体の一人として、差し出してきました。私たちのうちに誰も専門家はいませんし、皆が平等です。一人の人が、ある時は先生になり、ある時は生徒になります。またある時は与える人、ある時は受ける人になります。父親と息子、また男性と女性が協力して、地域の発展のために一生懸命働く姿は本当にすばらしいものです。
マリアの宣教者フランシスコ修道会員として、私はこのミッションに携われることを心から嬉しく思っています。ミッションで出会う子ども、病人、そして村人たちは、神様からの私への大きなプレゼントです。彼らの微笑みは、神様の微笑みです。あるお年よりが私に「私は年よりで、シスターは若いです。私にしてくだったことは、まるで、私の娘が私にしてくれているように感じています。私を父親のように関わってくれて、本当にありがとう。」と言ってくださいました。
私はこの言葉を心に留めていきたいと思っています。このようなすばらしいミッションに私を派遣してくださった神様に心から感謝しています。
Maria Jose Moniz Basilio, fmm