Srマチルド・サールが、モーリタニアでのミッションを分かち合ってくださいます。
私はセネガル出身のSrマチルド・サールです。2008年4月7日に、初めてモーリタニアの南部の町カエジに来ました。カエジは、モーリタニアの首都ヌアクショットの南約420kmにある小さな町です。セネガルとモーリタニアは隣接する国ですが、人々の暮らしは全く違い、最初は本当に戸惑いました。しかし、共同体のシスターたちに助けられながら、土地の人々と少しずつ親しくなってきました。
2009年1月、カエジから35km奥にあるジアワルジブリという部落に住む家族から招かれて、共同体皆で出かけたことがあります。そこで、村人たちに暖かく迎えられ、楽しい一日を過ごしましたが、そのときに目にした村の女性たちの厳しい状況が、私たちの頭からしばらく離れませんでした。それで私たちは、その部落で、女性の生活向上のプログラムを始めることにしました。まず最初にその地方の責任者に会いに行き、私たちの計画を話しました。彼はそれに賛成し、「ゴーサイン」を出したばかりでなく、この計画のための「準備委員会」を立ち上げ、ご自分もその一員になってくださいました。女性たちのニーズや興味対象を調べ、その2ヶ月後、ジアワルジブリ女性センターが始まり、私がその運営をすることになりました。最初は、女性たちと知り合いになることから始めました。私はまだその地方の言葉がうまく話せないので、ウォロフ語で話しました。ウォロフ語のわかる女性がいたので、どうにかコミュニケーションをとることができましたが、言葉の習得は大きな課題です。
女性センターでは、1-縫い物と刺繍 2-染物 3-地元の産物の有効利用 4-石鹸作りのプログラムを展開しています。また、女性たちの衛生教育も始め、助産師を招いて妊娠や性感染症などの話をしてもらいました。村の女性たちは、今まで知らなかった多くのことを学んでとても喜んでいますが、文字の読み書きができないことが大きな障害になっています。ほとんどの女性は、勉強の機会を持ったことがないからです。イスラム教の社会では、女性には勉強は必要ないと考えられていて、今でも女の子の就学率はとても低いのです。それで、識字学級を開き、多くの少女たちが勉強に来ています。
ジアワルジブリの女性たちは、厳しい生活環境の中にあっても、将来に向かって明るく生きています。砂地に水が吸い込むように知識を吸収する彼女たちは、新たな活動に生き生きと取り組んでいます。その姿に大いに励まされています。そして、今では、私たちの集まりは、技術や知識の伝達だけではなく、部族を超えてお互いに出会い、生かし合う場になってきています。
ある女性は次のように話してくださいました。「シスターが、この村にいらっしゃるようになって、私たちは違う部族の人々と一緒に集まるようになりました。これは私にとって初めての経験で、他の部族の女性たちと仲良くなれるとは、以前は思ってもいませんでした。」
村での一日が終わると、私は疲れ果ててはいますが、女性たちと共に過ごせた喜びに満たされて修道院に帰ります。まだモーリタニアの生活にすっかり慣れたとは言えませんが、私は、共同体、そしてこの土地の人々に暖かく受け入れられ、とても幸せな日々を過ごしています。
Mathilde Saar,fmm