マリアの宣教者フランシスコ修道会 日本セクター

コンゴ ルブンバシ

バテンボの兄弟姉妹と共に

アフリカ大陸中央部赤道直下に位置するコンゴ民主共和国、デュビー(Dubie)の修道院のシスターたちが、バテンボの人々との関わりの分かち合いをしてくださいました。

バテンボとはどのような人々ですか?彼らは、カンタガ(Kantaga)地方の森に住むピグミー族の人々で、以前はマノノ(manono)やプエト(Pweto)の森に住んでいました。彼らは、もともとは遊牧民で、長い間、狩猟をしたり、木の実を採ったりして暮らしていました。しかし、環境の変化につれ、森から離れ、村の近くに住まざるをえなくなってきたのです。
森の中で遊牧していた彼らにとって、村での定住生活は、とても厳しいものです。着るものも、家もなく、毛布さえありません。また、村の多くの人々からは、良く思われていませんでした。

2007年、一人のシスターが修道院から100kmくらい離れた村に行き、バテンボの人々のことを知り、調理用具や、農耕具、そして衣類を少しあげることができました。
3kmのところに、6家族が定住しました。その村の酋長から暖かく迎え入れられたというニュースは森に伝わり、次の週には18家族が村にやってきました。そこで、彼らが村の人々と平和に共存できるように、私たちは教会の信者たちと一緒に会いに行きましたが、彼らが村の生活にとけこむためには、長い道のりが必要だと言うことに気づきました。そこで自立援助の専門家の派遣をお願いし、また、その分野で活動しているスペインのシスターたちの助言もいただきました。

最初から、彼らは食べるために農耕を始めました。その数は増え続け、今では300家族にまで増えました。バテンボの人々がどんな状況で生活していても、自分たちの尊厳を持ち続けていることには、本当に感心させられます。彼らは、何もしないで受けるよりも、自分たちの力で働くことを選びます。生き延びるために、草の根を掘り、ねずみ、蛇、マムシを捕り、毛虫を食べ、蜂蜜を探しに行きます。しかし、2009年の初めには、彼らのお世話を私たちだけではできなくなり、近くの役場に状況を話に行き、潅漑施設のための援助や寄付金をもらいました。

そのお陰で今では3ヘクタールの野菜畑を耕し、地元の人々に売ることができるようになり少しは蓄えもでき、自分の家の前には、キャッサバ、とうもろこし、ピーナッツなどを耕す畑を持つことができるようになりました。学齢期の子供たちは、皆学校に通い、今、地元の学校に147人のバテンボの子供が通っています。彼らは他の人々と同じ人間として認められていることを感じ、うれしく思っています。

私たちにとっては、これは私たちの会憲にある「キリストのように 謙虚な心で人を尊敬し、受け入れ、開かれた心と奉仕の態度で学び 与えると同じように受ける心構えをもって 誰のところにでも 行くようにします」を生きるとてもすばらしい体験になりました。
まだ、長い道のりでしょう。はじめ、バンツー族の間にバテンボを定住させることなど、夢のように思われましたが、少しずつ、それは現実になりました。バテンボの兄弟姉妹の将来を、神のみ摂理と善意の人々に委ねたいと思っています。

Teodora Sarzynska, fmm