マリアの宣教者フランシスコ修道会 日本セクター

うらしま花子の物語(4)「南の国の思い出2」

真夜中に目が覚める。おねしょをする子供達をトイレに連れていく時間だ。
ベッドの右側にあるはずのドアを無意識に探す・・そして、気がつく、ここは日本だった。

南の国の45人の子供達、親はなくても、貧しくても、暴力の犠牲になっていても、それでも生きる力に溢れている。よく食べ、よく遊び、よく眠る。どこまでも底なしに明るく、強い。どうしてそのように生きることができるのだろう。

子供達はよく祈る。特に、寝る前には一人ひとりが、ベッドに突っ伏したようにして、長い祈りをする。みんな、それを静かに聴いて、一人が終わると、次から次へ、終わりのない祈りが続く。自分のため、いいえ、それはみんな人のため、そして天の御父への感謝の祈り。子供達は知っている。神さまはおられ、その信頼は揺るがない。

 本当に、子供達は美しい。入所した時にはいつも泣いていた子供たちが成長し、数年後には、小さな子供たちの面倒を優しくみるようになる。みんな、その痛みがわかるから。そんな場面に出会うたび、私は「神の国」を見ていた。その喜びは何にも代えがたい。

そして、そんな子供達との別れからもう半年・・なのに、まだ寂しがっている私に、子供達は笑いながら言っているかもしれない「毎晩、シスターのために祈っているんだよ」、そして「もう、日本で「神の国」を見つけた?」と。

イエスのみ言葉

ファリサイ派の人々が、神の国はいつ来るのかと尋ねたので、イエスは答えて言われた。
「神の国は、見える形では来ない。『ここにある』『あそこにある』と言えるものでもない。
実に、神の国はあなたがたの間にあるのだ。」 ルカによる福音書 17:20-21

今日の祈り

主よ、わたしの心の目を開いてください。あなたがすべての人のうちにおられ、
あなたのいつくしみがあるところすべてに、あなたの国があることをさとることができるように。