先日、久々に友人に会ってレストランでランチを共にした。ご主人とは20年ぶりの再会。お母様にお会いするのは初めてだった。お母様は88歳。老人ホームに入っておられるが、一人で外国まで旅行に出かけるという。お元気だ。
食事が始まると、お母様は「私は切って食べるの」とおっしゃってスパゲッティをナイフで切っておられたが、向かいに座っていたご主人には食べにくそうにしておられるのが気がかりだったのだろう。「ママ、スプーンで食べられるように小さく切りましょうか」と言って、義母のスパゲッティを小さく切ってあげた。しばらくしてそれを全部召しあがり、1枚のお皿に乗っていたもう一色のスパゲッティには手をつけられなかった。すると彼が、「ママ、こっちは?」「もう沢山です。」「そう、じゃあ、私が食べてしまいましょう」と言って、残っていたスパゲッティを自分のお皿にとって、召しあがった。私は「この方は彼のお母様じゃなくて、彼女のお母様だったわね」と心の中で思いながら、お母様は若いころから、娘夫婦を大切にし、彼女たちもそれに応えてこられたのだろう。何十年も仲良く過ごしていたら、どっちの親かなんて問題じゃないのか、一つの家族なのだ!と、とても温かい気持ちになった。
お母様は、階段を下りなければならないとき、「私はこうして階段を下りるの」と右側に寄って、両手で手すりにつかまりながら、一段一段横向きにゆっくりと下りてこられた。凛として高齢を生きておられるお母様がとても貴く思え、ほのぼの家族に仕上がってきたご家族と、楽しいひと時を過ごせたことに感謝。
ほのぼの家族
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